年頭、昨年の天皇陛下の御製、皇后陛下の御歌が発表されている。
その中から。
両陛下は昨年5月、
熊本を親しくお見舞いになった。
幼子の
静かに持ち来(こ)し
折り紙の
ゆりの花手に
避難所を出づ
両陛下は、
体育館をお見舞いになった。
受け取られている。
そこに陛下のお気持ちが滲む。
天皇と国民の美しい情景。
熊本へのお出ましの際の様々な出来事から、
心が温かくなる。
皇后陛下の御歌にも同じ熊本へのお出ましのことが詠まれている。
ためらひつつ
さあれども行く
傍(かたは)らに
立たむと君の
ひたに思(おぼ)せば
皇后陛下は被災地へのお出ましに「ためらひ」を覚えておられる。
「
極めてご謙虚。
しかし、悲しみ苦しむ人々の「傍らに」立とう、
(
「さあれども行く」。
皇后陛下は昨年4月3日、奈良県橿原市の神武天皇陵で行われた、
お参りになった折のことも、
遠つ世の
風ひそかにも
聴くごとく
樫の葉そよぐ
参道を行く
遠い歴史の彼方から吹いて来る風の音を、
皇后陛下の感性は、